日常の色(物語)

こころ触りの良い時間

くぐる。

こころ触りのよい時間 くぐる、くぐりぬける。 向こう側で、読み知ったこと。 こちら側で、触れ感じたこと。 それらが一致などしないことに、ホッとする。 くぐる、くぐりぬける。 向こう側とこちら側。 ...
こころ触りの良い時間

間柄。

こころ触りのよい時間 包むものと包まれるもの。 どちらにとっても、必要とされる間柄。 包むものと包まれるもの。 どちらにとっても、完璧な相性。 でも。 包むものは、 包まれるものの心まで知ることはない。...
こころ触りの良い時間

扉。

こころ触りのよい時間 開けて良いとも悪いとも、注意書きも標識もない。 この世にあるほとんどの扉には。 立ち止まるのか、行き過ぎるのか、 開けてみるのか、みないのか。 そもそも、開けてみたいのか、みたくないのか。 ...
こころ触りの良い時間

使うものよりも大切なもの。

こころ触りのよい時間 使わないものだけれど、必要なもの。 それは、使うものよりも大切なもの。 見るだけで、心が安らぐ。 聴くだけで、呼吸が整う。 触れるだけで、満ち足りる。 香るだけで、ゆったりする。 使わな...
こころ触りの良い時間

選ぶ。

こころ触りのよい時間 心ひかれたのは、確かに、それ。 なのに、どうして迷っているの? 心迷わされるは、いつものあれ。 使いみちが多いだとか、カロリーが少し低いだとか。 割引率が高いだとか、豪華そうに見えるだとか。...
こころ触りの良い時間

とっさに。

こころ触りのよい時間 何色が好き? そう聞かれて、とっさに水色!って答えたのだけれど、 もしかしたら、山吹色かも、とやはり、とっさに思い、 でも、訂正はしませんでした。 そういえば、水色は、学生時代ず...
こころ触りの良い時間

朝の手前で。

夜明け前。 偽物をつかんじゃったり、 本物を落としちゃったり。 そんな昨日の落胆も、 少し遠い記憶になる。 朝。 誰かのおしゃべりや、 足音や車が流れる気配。 新しい今日の息使いが、 あちら...
こころ触りの良い時間

麓(ふもと)。

こころ触りのよい時間 やっと、そこに辿り着いたら、その立派な姿は消えてしまいました。 塔の真下。“憧れ”あるいは“夢”のありか、とも。 遠くから眺めている時は、その輪郭はくっきりしていたのだけれど。 そして、それを...
こころ触りの良い時間

椅子。

こころ触りのよい時間 座る場所だったら、あるよ、十分に。 好きなやつを選べるくらい、十分に。 そっちの部屋で立ちすくんでいるくらいなら、 こっちの部屋に来たらいい。来たらいいのに。 そっちとこっち。部屋はとても近...
こころ触りの良い時間

陽光。

こころ触りのよい時間 陽光。 透明な空間を縫って、縫って、辿り着く。 透明でない何かにつきあたり、透明でない何かを照らすため。 透明でない何かをあたため、透明でない何かを救うかの様に。
こころ触りの良い時間

窓。

こころ触りのよい時間 窓。 開ければ風が入ってきて、閉めれば風が遮られ。 時々のお天気で、時々の気分で、ちょっと開けたり、ぴっちり閉めたり。 そう、心地よさは、自由に調節できる。 感じた思い、そのままに。 ...
こころ触りの良い時間

こころ触りのよい時間。

序章 かしこまらず、無理をせず、あきらめず。 本当の自分が許されている時、わたしたちは心地よいリズムの呼吸が保たれます。 こころ触りが良い時間。 それは、 好きなものを見ること。 好きなことをすること。 ...