すてきを思い出す
すてきだな、と思えるものごと。
水面をころがる、陽光のかけら。
樹木の葉っぱが、風に揺れる姿。
通りで耳にした、軽やかな鼻歌。
旅先の細い道で、交わした笑顔。
すてきだな、と思えるものごと。
小説のセリフに、うなづける時。
会う約束のない、じゃ、またね。
降り出した雨に、湿る土の匂い。
好みの珈琲店の、心地よい選曲。
それらのほとんどが、
偶然の巡り合わせ。
どれも、
手にすることはできなくて、
心にとどめておく以外できない。
すてきだな、と思えるものごと。
日々の気分を穏やかに整える薬。
MEMO
「すてき」という思いに出くわした時、あなたはどんな感じがしますか？
私は、心穏やかなで、じわ～とあたたかく、全身の細胞がゆるんでいく感じ。決して、ウキャー！とか、キター！とかいうとがったテンションではなくって、ホっとする感覚です。自分が「好むものこと」をやさしく思い出させてくれているような。
ここ数年、幸せ追及の在り方のひとつとして、「ワクワクすること」「好きなこと」をやれと、というのがありますね。
あなたは、ワクワクや好きなことをやっていますか？
私は、長い間、その状況に憧れながら、できない自分にモヤモヤしていました。状況的に、激務系企業に身を置くことが多かったので、日々、くたびれすぎて生き方改善のエネルギーなどなくなっていましたからね。
そんな時に、「ワクワクすること」「好きなこと」をやれとか言われても、「何言っちゃってるの？」そんなことより、明日締め切りの企画書作らなくちゃ、原稿書かなくちゃ、と、かえって苛立っていました。
でも、自分の好むものごとを置き去りにしていると、無気力になってきます。生きている意味もわからなくなり、しまいには生命力がスッカラカン。一時的に、仕事強制終了な感じで、休息せざるをえなくなるんです、ちゃんと(^-^;
やっぱり、ワークライフバランスは大切だなぁ、とつくづく。
なので、心豊かに生きるには、少しづつでも、日々、ホっとできる時間をつくることが、健康的かな、と思っています。
そこで、役立つのが、「すてき」という感覚の掘り起こし。
かつて自分が「すてき」だなと思っていたことを思い出してみる。書いたりしてみるとよりいいかもしれませんね。
「すてき」という感覚は、好むものごとですから、自分好みの瞬間についても思い出したりできます。自分に戻る時間を増やせたら、ちょっとづつでもエネルギーが回復に向かうので、これからの「すてき」を察知する感覚もや養えるはず。
スグにフルパワーになるのは難しくても、ちょっとづつ、ちょっとづつ、生命力を戻していける気がします。
自分の触覚にひっかかった、「すてき」は、心穏やかに生きるための、何よりの保険。まさに、日々の気分をホッとさせてくれる薬です。だから、自分だけの「すてき」をたくさん集めておきたいと思います。
Monoloque（モノローグ）について
本当の本当を探る、ささやかな時間。思いと現実のズレを整える術として。
